テレワークを阻む壁−2 燃え尽き症候群に陥る問題

コロナ対策のため、在宅ワークの機会を享受している人は増えていると思いますが、「やってみると、いいことばかりではない」という印象も広がりつつあるのではないでしょうか。

その一つが、バーンアウト燃え尽き症候群)です。

仕事と私生活の境界がこれまで以上に曖昧になり、就業時間とプライベートの区別、平日と週末の区別すらなくなって、休みがなく働いてしまう人もいるだろう。本稿では、燃え尽き症候群を防ぐための3つのアドバイスを紹介する。

 本記事では、仕事のスイッチを入れるために、仕事服をまとう、プライベート時間が侵食されないように、時間割をつくる(家庭の事情により、9時-5時のような固定的な時間割とはならないことを仲間同士で理解する)などのアドバイスを紹介しています。

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現在の学校や保育園も休業で、仕事と育児を同時に在宅で行うという状況は、特殊な状況と言えますが、極限的であるがゆえに本質が見えてくるとも言えます。

 

 いまは、忙しく見せるための仕事をしているときではない。優先順位が最も高い課題にエネルギーを注ぐべきである。

 在宅勤務をしていると、生産性が高いことを示さなければならないと感じることが多い。しかし、これは重要な仕事よりもすぐにできる仕事をこなすことに、つながるおそれがある。

 この傾向は短期的には生産性が高くなる利点があっても、長期的には生産的ではないと研究で示されている。家庭と仕事の両方ですべきことが増えている従業員は、特に重要な仕事を優先するよう気を配ろう。

 ただし、どんなに重要な仕事でも、四六時中働くことは正しい対応策ではない。ある推計によると、平均的な知識労働者が生産的でいられるのは1日平均3時間にすぎない。その時間はなるべく中断されないように、またマルチタスクをしないようにしよう

 新型コロナウイルス以前も、重要な仕事に集中できる時間を3時間確保することは難しかった。仕事と家庭の境界線がなくなり、人々の時間はかつてなかったほど寸断されている。

 常に「オン」であると感じる人は、普段通りに通勤して仕事をするよりも、在宅勤務するほうが燃え尽き症候群に陥るリスクが高い。たとえば子どもが昼寝をしたときや週末、あるいは夜に映画を一時停止したとき、数分手が空いたからといって急いで仕事やメールの返事をしようとすることは、非生産的であるばかりか、心身の健康にも害をもたらす。

 我々皆が、仕事をしない時間をつくり、精神的な余裕を生み出す新たな方法を見つけること、周囲の人々が同じようにできるよう手助けすることが必要である。

 私自身も、「在宅勤務をしていると、生産性が高いことを示さなければならない」というプレッシャーを、成果を出す動機づけとして使っていたのですが、時間の寸断によって、集中して仕事する時間を確保することが難しい今の状況下では、これがうまく機能せず、4月中の在宅ワークでは無茶を重ねてしまいました。

時間の寸断は、集中ワークの大敵です。

  • 時間割をつくる:
    見立てをたてつつ、柔軟に調整する
  • 集中時間は、仕事の通知は切る:
    可能なら家族にも“Don't Disturb Time”と伝える
  • 生産的でいられるのは1日3時間までと割り切る:
    3時間未満で達成しうる、成果目標をたてる

GWが終わって、仕事は再開。5月末まで、学校・保育園の再開は先送り。バーンアウトに陥る認知バイアスを克服して、心身の健康が高まる在宅ワークのあり方を、実践、探求する時間になりそうです。