SOHOモデルの探索 本居宣長・ゲーテ編

歴史的著述家は、どのような空間で、偉大な作品を生み出したのでしょうか。

偶然再読していた『古典と経営』鈴木治雄の中に、本居宣長やゲートの書斎に触れる記述があり、好奇心が寄り道してしまったので、さっそくググってみました。

鈴屋(スズノヤ)

53歳の時に宣長は二階を増築し、自分の勉強部屋を作りました。
窓の大きな明るい部屋です。
勉強に疲れたときにならす鈴を掛けたので、「鈴屋」という名前も付けました。

 鈴屋内部

8 宣長の仕事場 其の弐

 没後200年を記念して作成された本居宣長記念館が作成されたコンテンツとのことで、昼間は医者の仕事を、夕方には源氏物語などの講釈を、夜になって一人『古事記』と向き合い、『古事記伝』を記すという、精力的にモザイクワークを実践していた宣長さんの人生が、再現されています。

一方のゲーテの書斎は、ドイツ・ワイマールに「ゲーテの家」として残されているようです。

https://www.klassik-stiftung.de/goethe-nationalmuseum/

GOTRIPさんの紹介ページには、「ゲーテは事務仕事は座ってこなしたものの、小説は「そのほうがはかどる」と、立ったまま執筆にあたったといいます」とあります。

ゲーテの邸内に残された絵画や彫像、併設された博物館にある彼の遺品や関連資料をみると、「『魔王』や『ファウスト』という著述だけでなく、政治、地質学、植物学、生物学、光学など、ゲーテがいかに幅広い分野に取り組み、その才能を発揮していたかに驚かされる」とも。

興味関心を幅広く持ちながら、執筆するその瞬間には、限られた質素な空間で、ときには立ったままの姿勢で机に向かう。偉人の書斎のあり方は、現代のSOHOデザインにも大事な示唆を与えてくれているように思います。

今回は、バーチャル訪問でしたが、いつの日か実際に足を運んでみたい。そんな目標も生まれました。『古典と経営』の著者、鈴木治雄さんに感謝🌟